潮流発電機見学会
2025.01.31

視察テーマ:長崎における潮流発電の商用化に向けたビジネスモデル(地域脱炭素促進)
九電みらいエナジー株式会社は、長崎県五島市の奈留島(なるしま)と久賀島(ひさかじま)の間に位置する「奈留瀬戸(なるせと)」において、環境省より「潮流発電による地域の脱炭素モデル構築事業(2022年度~2025年度)」を受託し、実証試験を進めている。
これまでの環境省事業(2019年度~2021年度)で使用した潮流発電機(500kW)を、国内初となる商用スケールの大型潮流発電機(1,100kW)へ改造する工事が完了し、海底への設置工事を開始することとなった。設置を前に、関係者に向けて発電機が披露された。
今回披露された大型潮流発電機は、従来の発電機を改造したものであり、発電量の向上を目的にヨー制御(発電機の向き調整)やピッチ制御(羽の傾斜調整)を導入している。
設置後は五島市の電力系統に接続し、商用レベルでの実証試験を進める予定である。1月31日には関係者約220名が現地を見学し、プロジェクトの成功と商用化への期待が寄せられた。
九州みらいエナジー㈱ ホームページ
九州みらいエナジー㈱ 資料より
【参考】潮流発電とは
潮流発電は潮の満ち引きを利用した再生可能エネルギーであり、天候の影響を受けにくく、運用コストが低いのが特徴。発電方法には、干潮時のみ利用する方法と、満潮・干潮の両方を活用する方法がある。潮の満ち引きは予測可能なため、安定した発電計画が立てやすい。
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当発電機は、満潮・干潮の両方を活用するため、プロペラのピッチを可変させる。
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長崎のような海に囲まれた地域では特に高いポテンシャルを持つと期待される。