総会

2025年度 通常総会 記念講演

2025.05.27

会 場:
出島メッセ長崎1階101会議室
組 織:
公益社団法人経済同友会 副代表幹事
特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン
役 職:
副代表幹事
代表理事
講演者:
大西 健丞 様
  • 講演「非営利経済と共助経営について

     

  •  講演冒頭、現代社会が直面する格差拡大やコミュニティの崩壊といった問題に対し、「共助資本主義」という新たな理念を掲げ、社会の持続的な再構築を訴えた。
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  •  公益社団法人経済同友会(東京)の新浪代表幹事は、2年前の就任時よりこの理念を提唱し、特にトランプ現象に象徴されるような「収奪的社会」から、「包摂的社会」への転換の必要性を強調している。

     

     現在、AIやデジタル・プラットフォーム企業がもたらす「勝者総取り」の構造が、富の集中と格差の拡大を引き起こしている。このような状況では、国民のwell-being(幸福・生活の質)が著しく損なわれており、怒りや不満が政治的分断を助長している。とりわけ米国における「MAGA(Make America Great Again)」のような動きは、社会の分断と不平等に対する抗議の象徴でもある。

     

  •  こうした問題に対処するには、政策や制度設計を通じて包摂性を取り戻す必要がある。とくに「応能」、すなわち能力や成果に応じた社会貢献の原則が重要であり、企業や成功者が成長の果実を社会に還元する仕組みづくりが求められる。企業は単なる営利追求ではなく、共助の担い手として信用を回復し、持続可能な社会の中心的役割を果たすべきだと述べられた。

     

  •  また、講演では資本主義をウェルビーイングをもたらす方向へ「バージョンアップ」する必要性も語られた。社会課題の解決を目指すビジネスの推進、現状維持からの脱却、そしてアニマル・スピリッツ(起業家精神)の喚起がその鍵である。

     

  •  さらに、日本が災害大国であることにも触れ、これまで「公益は行政が担うもの」としてきた社会の在り方を見直し、今こそ「民による公益」への転換が求められていると訴えた。民間や地域の力を積極的に活かし、災害への備えや復興においても共助の精神が不可欠であるという提言で講演は締めくくられた。

 

講演の様子はこちらから↓↓↓

TBS NEWS DIG (NBC長崎放送)

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