まちづくりと交通委員会

第1回 まちづくりと交通委員会

2025.07.24

会 場:
十八親和銀行本店 10階大会議室
組 織:
国土交通省 九州地方整備局  
役 職:
長崎河川国道事務所長
講演者:
上田 章紘 様
テーマ:
歩行者利便増進道路(ほこみち)について

<ご講演内容>

・公共事業予算を取り巻く状況
・歩行者利便増進道路「ほこみち」の制度について
・ほこみちの事例
・ほこみちの進め方
・国道34号におけるほこみちの検討状況について
・今後の方針

 

 国道34号(長崎市桜町~万才町)では、令和2年の法改正を受け、「歩行者利便増進道路(通称:ほこみち)」の整備が進められています。これは、歩行者中心の安全で快適な道路空間を実現し、地域の賑わいや利便性の向上を図ることを目的としています。

 

 国土交通省の「ほこみち」制度は、従来の車中心の道路を、人を主役とする空間へと再構築するもので、地域活性化や防災対応、新たなモビリティの導入など、多機能な道路の実現が期待されています。指定道路では柔軟な占用が認められ、カフェやベンチの設置が可能となり、長期占用制度を活用することで民間による空間づくりも促進されます。

 

 この取り組みは、第1次国土強靱化実施中期計画(令和8~12年度)にも位置づけられ、今後は地域の特性や道路の役割に応じた柔軟で戦略的な整備が求められます。

 

 現在、試験運用に向けた準備が進められており、明確な実施計画の策定、関係機関との調整、地域への丁寧な広報が必要です。また、減車線化による交通への影響や安全性を事前に検証し、時間帯ごとの規制についても協議を行います。

 

 試験後は、歩行者利便性や賑わい創出、交通の円滑さなどについて効果検証を行い、課題の整理と改善につなげていきます。そして、恒久的な歩行者空間の導入に向けて、より魅力的な空間づくりを検討してまいります。地域とともに、新しい道路空間の可能性を丁寧に探っていくことが、今後の大きな一歩となります。

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