佐世保

2025年10月例会

2025.10.07

企 業:
株式会社ワーク・ライフバランス
役 職:
上級シニアコンサルタント
講演者:
田川 拓麿 氏
テーマ:
エンゲージメントを高め 人財が定着する魅力ある組織づくりに向けた働きやすい職場環境とは
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 「エンゲージメントを高め、人財が定着する魅力ある組織づくり」をテーマに講演が行われた。講演では、人口構造の変化を踏まえた新たな経営戦略としての「働き方改革」の本質について、具体的な事例を交えて語られた。

 

 田川氏は冒頭、「多様な人財の雇用は組織にとっての重荷ではなく、力を高める好機である」と指摘。制度導入の形だけにとらわれるのではなく、組織そのものの魅力を高める“本質的改革”に取り組むことの重要性を強調した。人口が増加し労働力が豊富だった「人口ボーナス期」には長時間労働が経済成長を支えたが、少子高齢化が進む「人口オーナス期」の現在は、働く時間を短縮し、多様な人が豊かに暮らせる環境づくりこそが業績向上につながると述べた。

 

 特に印象的だったのは、「少子化対策」や「女性活躍」を進めるうえで、鍵を握るのは「男性の働き方改革」であるという点だ。欧州諸国では労働時間の上限設定や勤務間インターバル制度の法制化が進み、一定の成果を上げており、日本でも今後の法改正が見込まれるという。また、「男性の育児休業」は企業の人材確保や地域の持続的発展に大きな効果をもたらすと述べ、勤務間インターバル制度の導入が従業員満足度の向上や離職防止に寄与した企業事例も紹介された。

 

 最後に田川氏は、真に高い生産性を生むのは「心理的安全性の高い職場環境」であるとし、経営層が率先して挑戦を後押しする文化づくりが、魅力ある組織と豊かな人生の両立を実現する鍵であると締めくくった。

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